会社全体で進めていく会議体について説明をしていきます。日常的にはこの会議体を中心に施策を考え、検討し、運営していくため非常に重要かつ難しいパートになります。

 

 

■そもそも会議をしていない中小企業

会議は無駄、やりたくないと思っている人は多く、「会議を定期的に運営をしましょう」というと嫌な顔をされることが多いように感じます。特に中小企業では定期的な会議をほとんどしておらず、情報が均一に行き渡っておらず「あれ?言ってなかった?」とか「世間話で聞いたけど」ということが多く、非常に非効率的な運営体制になっていることが多くなっています。

 

会議は、経営陣の考えをオフィシャルに伝えて、また現場の声をオフィシャルに吸い上げて、それらの情報を階層ごとに均一に知らせるためには非常に重要なものになります。会議という名称が嫌であれば、ミーディングや打ち合わせなどの名称でもよいでしょう。

 

会議をせずに組織の上下左右の情報連携をどのようにするのでしょうか?まずは会議は必要なことであるという考えてみましょう。

 

■会議がなぜ重要なのか?

会議の重要性は情報の連携であることはわかりやすいと思いますが、従業員の方の立場からするともう一つの効果があります。それは、会議が従業員の気持ちを見える化する場であるということです。

 

いつでも思ったことを言ってくれればいいと思っている経営者の方は多いかもしれませんが、従業員からするとそんなに簡単に意見を言いにはいけません。また意見を言ってもオフィシャルな会議の場などでなければ世間話で終わってしまい「あの話を前に社長に言ったけど・・・忘れられているのかな」となってしまい、そのような状態が続けば言って無駄だと思われてしまうでしょう。

 

会社の方向性を決めるのは経営陣ですが、実際に工夫を凝らして実行していくのは現場の方々です。会議をしっかり行うことによって、従業員の方が自分の気持ちや意見を言える場をしっかりと作ることが重要です。

 

■経営会議とプロジェクト会議

では、実際には会議はどのように行っていくのでしょうか?すべての人を含めて会議をするということはおすすめできません。きちんとマネジメント会議(経営者層の会議)とかプロジェクト会議(その施策のための会議)、店舗会議(店舗での会議)を階層ごとに行うようにしましょう。

 

各階層によって扱う情報も、決定すべき内容も異なります。現場は現場で会議をし、現場の長同士の会議をし、役員同士の会議をし・・・と会議の数が多くなる可能性はありますが分けて行うようにしましょう。

 

■ポイントとなる中間管理職

会議の運営をはじめると重要になってくるのが中間管理職の方です。中小企業に限らず中間管理職の方は、現場よりの方がおおくマネジメントの実務をほとんどできていないことが少なくありません。

 

経営層、中間管理職、現場のスタッフという3階層で考えると、両方につながりがあるのが中間管理職の方になります。

 

中間管理職の方は、両方をつなぐパイプ役になります。

 

このパイプ役の方が役割を果たせないと組織として機能しなくなることが多々ありますので注意が必要です。

 

■大企業と中小企業の大きな違い

ここまで会議を行う必要性や重要性について説明をしてきました。

 

ここからが管理会計の導入部分になってきます。

 

大企業と中小企業の会議の大きな違いは「データ量」です。

 

大企業では会議を行う際には、売上データだけではなく顧客別売上データやチャネル別データ、過去数年のデータ、利益率や原価率などあらゆるデータがでてきます。このデータをもとに検討を進めていくため会議での決定事項に大きなずれがなくなり意見がまとまりやすくなります。

 

逆に中小企業では、決算書のデータしかないケースが多く、データに基づいた意思決定がほとんどできないことがほとんどです。その場合、感情や感覚、声の大きな人、役職が上の人の意見に引きずられてしまい、合理的な意思決定や納得感のある意思決定ができません。

 

 

■データの蓄積は数年がかり

中小企業でもデータの蓄積やデータからの予算管理などが非常に重要です。

 

まずは各担当者がコツコツとデータを積み上げることを始めないといけません。

 

このデータの積み上げが数年すると大きな財産になります。弊社のコンサルティングが非常に長期になるのは、ビジョンなどの作成、会議自体の導入からはじまり、会議の質を高めながらデータを集めていき、データにのっとった意思決定ができる組織を作ることを目的としているため、「すぐに効果を出してほしい」というご要望に応えにくくなっています。

 

データを集める!という決意が必要になります。

 

■スタートは短い会議から

会議をしていない会社でいきなり会議をやりデータを集めろと言っても理解をしてはくれません。トップダウンでできるから大丈夫だという組織でも、それでは従業員のみなさんの自発性を引き出すことはできず、強い組織にはならないでしょう。

 

最初は、短い会議を月1回やり、経営者から情報を伝えるだけの会議からはじめていきましょう。

 

最初は、無表情で聞いている従業員の方々も徐々に変わっていきます。そのうち意見を求めればしっかりと意見をいってくれるようになるでしょう。

 

焦らずに体制を作っていく必要があります。

TOP