中小企業の財務の分析をするとよくあるのが「値段設定のミス」です。
値決めは経営と言われるほど価格の設定は重要で、収益性が変わるだけでなく、商品やサービスの売れ行きにも影響をします。
何回も変更できるような商品やサービスなら良いのですが、一度決めると変更をするのが難しいものもあります。
事前になんどもシミュレーションをして価格設定をするようにしましょう。
今回は、値決めの中で非常に重要な「単価アップ」についてです。
中小企業にとって単価上げる重要性
世の中の99%は中小零細企業です。
大企業はほんの一握りである1%にすぎません。
大企業の戦略の多くは、大量生産や効率化による低価格・大量販売です。
どの業界にも大企業は基本的には存在しているため、中小零細企業は大企業の戦略を見て真似ようとします。
そうすると自ずと「同じものをより安く」か「より良いものをより安く」となってきます。
しかし、これだと中小企業は利益が出にくいですし、体力がどんどん減ってきてしまいます。
中小企業が目指すべき道はやはり「単価アップの方向に」です。
単価を上げようという話になると・・・
前述のような話をしていよいよ単価を上げる方向に行きましょう!と言うと現場から上がってくる声は「無理です!」と言う言葉です。
タダでさえライバル店と競争をしているのに、うちだけ値段を上げるなんてできないと言われてしまいます。
単価を上げる=値上げと考えてしまう方が多くこのような拒絶反応が出てきます。
しかし、単価を上げる方法は単純な値上げだけではありません。
単価を上げる方法は3つ
単価を上げる方法は次の3つに分類されます。
①単純に値上げをする
②追加販売をする
③販売回数を増やす
①単純に値上げをする
これが誰もが拒絶をする単純に値上げをする方法です。
しかし、値上げと言っても数%だけ上げるだけで利益が一気に出る場合もあります。
いきなり10%も20%も値上げをするのは難しいかもしれませんが、5%以内ならどうでしょうか?
値上げの幅は実際に数字をシミュレーションしながら決めていきます。
値上げだけでは効果が薄いようなら、数%の値上げ+数%の経費ダウンで収益増大を目指します。
②追加販売をする
パソコンならプリンターを、おもちゃなら電池を、スマホならケースを・・・のように主軸の商品の付属商品を追加で販売していく方法です。
付属商品の変動費(仕入れ代や手間代)がかかるので、単純な値上げほどの効果はないですが、確実に収益性はアップします。
③販売回数を増やす
この③については、客数アップと見ることもできますが、同じお客様にもう一度購入をしてもらう事によって単価を上げる方法です。
固定客づくりにも繋がってくるため施策としては非常に重要です。
初回は安く、2回目・3回目から収益を出すなどの導線作りに対する工夫が必要になってきます。
単価アップと言っても、このように3パターンに分けることができます。
何か特別な差別化をしないといけない訳ではないんです。
特別な差別化ができれば、本当に楽ではありますが・・・・
単価を上げる1番簡単な方法は?
では、これら3つの中で一番簡単な方法はどれでしょうか?
状況によって変わるので簡単というとないとなってしまいますが、一番やりやすいのは②の追加販売です。
理由は、お客様のためになることが多いからです。
誰しもお客様に負担をかけたいとは思っていません。
今と同じサービスを1割り増しの料金で、となるとお客様に無理を敷いていると感じてしまう方が多いでしょう。
追加で販売をするためには、お客様の利用ニーズをしっかりと考えて、イメージして、お客様が困らないように、満足するために追加販売をするというストーリーが作れれば意外と簡単にできてしまいます。
あなたが子供におもちゃを買うことを想像してください。
買って帰って子供に見せたら大喜びです。
袋を開けて早速遊ぼうと思ったら「あ!電池が必要だ!」となればどう思うでしょうか?
「なんだよ!一緒に販売してくれよ!」とかなりませんか?
もしおもちゃ屋の店員さんが、「このおもちゃには電池が含まれておりません。当店で取り扱いをしておりますが一緒にいかがですか?」と言ってくれていたらあなたは電池を購入しませんか?
追加の販売のストーリーというのはこのようなことを言います。
他に付属商品の知識をしっかり持つとか後付けで提案をしないなどのポイントがありますが、それはまたの機会に・・・
結局は単価を上げるしかない
単価を上げるとなると色々と不満も出てくるかもしれませんが、結局はなんとかしてやり遂げないといけません。
そうしないと儲からないから会社が続かなくなってしまうのですから・・・
弊社で単価アップのためのテキストなどを使って相談にも乗っているためお悩みの方はぜひお問い合わせください。
コメント