「会社のお金の見える化をサポートしています」と伝えると「お金関係は税理士にすべてまかせているから」と言われることがあります。
私がお会いする「会社のお金=決算書・税金」と考えている方が非常に多いようです。
弊社がお手伝いしているお金の見える化・管理会計とは、税金の納付のための帳簿ルールなどではなく、会社が売上を上げていくため・収益力を強化するた・良い会社にするための社内的な数字の活用方法です。
管理会計を完璧に導入するとなると、3年程度の時間はかかってしまうと思いますが、経営者の方が会社のお金の流れを理解するとか経営数字から改善点を把握するとなれば決算書の数字を活用して簡単に理解することができます。
さらにその先に進んでいけば、従業員から売上アップの施策などを引っ張り出すためのツールとして活用をしていただけます。
簡単な例を出します。
最近会社の業績が落ちているので、全従業員10名を集めて会議をすることになりました。
3か月分の売上を並べて「売上が減少している。どうすべきか?」と話し合いをはじめました。
【売上実績】
1月 | 2月 | 3月 |
600万 | 550万 | 500万 |
この表を見てわかることは「売上が50万ずつ下がっている」ということです。
この表から現状と一致した売上改善の施策を出すのは大変でしょう。
意見が出るとしても、「~だと思う」等のただの推測になってしまい、声の大きな人の意見しか出てこない可能性があります。
結局は、「売上が下がっているから、頑張って売上をあげよう」という意見にまとまることになってしまいかねません。
この表に会社でデータ取りをして以下のような表になればどうでしょうか?
1月 | 2月 | 3月 | |
売上合計 | 600万 | 550万 | 500万 |
商品A | 300万 | 300万 | 350万 |
商品B | 100万 | 80万 | 50万 |
商品C | 200万 | 170万 | 200万 |
商品ごとの売上数字を追加しました。
こうすると先ほどよりはさらに細かな意見がでてくるのではないでしょうか?
「商品Aは売上が落ちていない」
「商品Bが売上が落ちている」
「商品Cは先月は落ちたがほぼ横ばい」
すごく簡単な例ですが、上記の表にはさらに利益率や間接コストなどの数字も入れていくとより問題点がはっきりして経営の打ち手がはっきりとしてきます。
何よりも従業員自身から意見がしっかりと出される可能性が高いので、よい実行されやすくなるでしょう。
管理会計は決まったルールがあるわけではありませんし、突然すべての仕組みを入れるのも難しいでしょう。
しかし、導入する効果が高いので1歩ずつ取り組んでいくのが良いでしょう。
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