会社の経営を改善させようと頑張っている経営者の方は多いでしょう。
自分自身も日々会社の問題を何とかしようと努力をしているので、長年会社経営をされている方であればもっともっと頑張っていると思います。
しかし、残念なことにそのような経営者の方と会って話をするとまったく関係ないことに注力し努力を注いでしまっている方が多くいらっしゃいます。
今回は、会社を立て直す上で会社のお金の流れをつかむことは必須であるということについてご案内します。
やみくもに手をつけるのは遠回り
会社の問題のほとんどは儲からないという結果に直結しています。
会社は儲けを出すという目的(最終目的が社会貢献という会社も多々あると思いますが)のために運営されているので、儲からないという結果に対して経営者は何とかしないと!と頑張ります。
儲からないという結果に対して経営者が問題としがちなのが「経費が多すぎる」という点と「売上が足りない」という2点です。
特に「経費が多すぎる」という問題には対応がしやすいのですぐに取り組んでしまいがちです。
本当に経費が多すぎる場合には効果があるのですが、すでに絞り切っているのにさらに絞ろうとしている方がいるのも事実です。
問題点をしっかりと把握しないと「頭が痛いのに、腹薬を飲む」ような間違った方法を取ってしまうので注意が必要です。
問題がわかれば解決に向かう
「問題さえ発見できれば9割方は解決できたようなもの」
とあるコンサルタントの方が言っていた言葉です。
世の中には様々な問題・課題を抱えていると思いますが、ほとんどの問題が目新しいものではなく、過去にどこかの会社が解決をしたものばかりです。
解決策は歴史が積み上げてくれている、だから問題を正確につかむことが大事だということですね。
ではどのように問題を見つけていくのでしょうか?
まずは3つの指標からチェック
詳細な経営分析が必要になるケースもありますが、最初はまず3つの指標から確認をしていきましょう。
それは「粗利益率、労働分配率、借入金返済期間」の3つです。
粗利益率
粗利益とは販売価格から原材料や仕入れ費用を引いた金額のことを言います。
粗利益率とは、売上に占める粗利益の割合のことを言います。
例えば100円で仕入れをして1,000円で販売をすれば、粗利益は1,000円−100円=900円、粗利益率は900円÷1,000円×100=90%となります。
貴社が提供している商品やサービスは他社と比較して粗利益率はどうなっているでしょうか?
安易な値引きや販売数を増やすための低価格設定をしていないでしょうか?
労働分配率
労働分配率とは粗利益に占める人件費の割合のことを言います。
業界にもよりますが50%から60%が適正値だと言われています。
粗利益の半分以上を占めるのでやはり人件費は大きな費用となっていることがわかります。
この労働分配率が他社と比較して高いか低いかを確認をしていきます。
低い場合には、粗利益に貢献できていない社員がいる可能性があります。
教育体制の見直しや人員配置の見直しを検討する必要があります。
借入金返済期間
借入金の金額が適正かどうかを確認していくための指標です。
中には何十年もかけないと返済ができないという会社に出会うこともあります。
金融機関から借りてくださいと言われ、言われるがままに借入を増やすと前述のようなことが起きてしまいます。
税引き後利益+減価償却費で借入金額を割ってみましょう。
返済期間があまりに長い場合には検討が必要です。
ほとんどの問題は現象
数字から問題点を発見するために3つの指標をご紹介いたしました。
ただこれらの問題でさえただの現象に過ぎない可能性があります。
根本問題があり、その問題を解決しない限りは色々な問題が生じてしまいます。
この場合は一つ有効な手段として現場の声をしっかり聴くということです。
第三者の方に依頼をして従業員から会社の改善点や問題点についてヒアリングをしていきます。
それらの問題を因果関係でまとめていくと根本問題が発見できることが多く、多くても問題は3つ程度になると思われます。
トヨタ自動車の「5回のなぜ」などはこの根本問題を発見する上で有名な方法です。
→なぜ?
→ねじが破損したから
→なぜ破損した?
→ねじが劣化したから
→なぜ劣化したのか?
→ねじの交換をしなかったから
→なぜ交換しなかったのか?
→定期チェックしなかったから
→なぜ定期チェックしなかったのか?
→チェック項目になかったから
ここまでなぜ?を繰り返すとチェック項目を追加してこの原因で工場が生産ラインが止まることは無くなります。
なぜチェック項目になかったのか?とさらに深堀することもできますからどんどん根本原因に近づいていくことができます。
会社で起きている様々な問題も同じで、根本原因から発生している現象のケースがほとんどです。
会社を改善するためにはここまでしっかりやっていくこと必要があります。
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