会社にお金を残すのって大変なことですよね。

 

会社にお金を残すためには、「売上を上げないと!」「いやいや、儲けだから利益だ!」と売上・利益にこだわる経営者の方は多くいらっしゃいます。

 

しかし、売上が上がっても手元にお金が残っていない、利益が上がっても手元にお金が残っていないから悩んでいるのではないでしょうか?

 

今回は、会社のお金の流れから「会社にお金を残す」ということについてご紹介していきます。

 

売上・利益をばかり気にしていませんか?

会社にお金を残すためには、売上や利益だけを追っていても残すことができません。

 

決算書に売上も利益も大きく書かれているのにお金がないという会社は少なくありません。

 

会社にお金を残すためにはキャッシュフローをしっかりと管理する必要があります。

 

キャッシュフローとは、実際の現金の流れのことを言います。

 

昔、アメリカで粉飾決算等の事件があり、このキャッシュフローを重視したキャッシュフロー経営というものが流行りましたね。

 

日本でも、黒字倒産などというわかりにくい単語がでて、キャッシュフロー経営という言葉が広まったように思います。

 

キャッシュフローについて見ていく前に、なぜ売上・利益が上がってもお金が残らないのかを見ていきましょう。

 

売上とお金の関係

売上を経営の第一の指標にしている経営者の方は多いと思います。

 

売上がないと利益もお金もないので当然かもしれません。

 

確かに経営の打ち手を取る上では「〇〇をやって売上を上げる」ということをやるのは、わかりやすいので良いと思います。

 

しかし、何がなんでも売上!となると儲けの額を度外視した販売をしてしまう可能性があります。

 

特に会社のお金の流れがわからない従業員の方に現場をまかせている場合はこのようなことが起こってしまいます。

 

売上が上がれば良いとなると、値引きをして販売をしてしまう傾向が強くなります。

 

例えば、3,000円の物を売っている会社があるとしましょう。

 

仕入れ価格は、2,000円だとします。

 

この場合、1個販売する度に、3,000円−2,000円=1,000円の儲けが出ます。

 

この1,000円のことを粗利益と言います。

 

この1,000円という粗利益を積み上げて、固定費を賄い、固定費を賄った以上のところが利益になります。

 

数字は異なりますが、上の内容を図にすると以下のようなになります。

 

参考:お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ―――社長はこの図を描くだけでいい!

つまりこの粗利がしっかりとれていないと利益を残すことができなくなります。

 

先ほど3,000円で販売をするといいましたが、ここで販売促進のために10%割引をするとします。

 

そうすると、3,000円から2,700円になり、2,700円−2,000円=700円の粗利益となります。

 

1,000円の粗利益のものを1,000個販売すると、粗利が1,000,000円になります。

 

一方、700円の粗利益のものを1,000個販売すると、粗利が700,000円になります。

 

これだけで300,000円もの差になってしまいます。

 

700円で粗利1,000,000円を取るためには、1,429個も販売をしないといけません。

 

1.5倍もの販売数です。

 

中小企業では、このような値引きをしてしまっていることが多々あります。

 

値引きはなぜするのでしょうか?儲けを出すためですよね?

 

それが逆に利益を減少させてしまっているということに、売上ばかりを追っていると気が付くことができなくなってしまいます。

 

利益とお金の関係

売上とお金の関係について説明をさせていただきました。

 

このような説明をすると「そうか!利益重視にすればいいのか!」と今度は利益に突っ走ってしまいます。

 

売上重視よりは利益重視の方が良いとは思いますが、利益=手元に残るお金ではありません。

 

この点もしっかりと理解をしないとお金を計画的に残すことができなくなってしまいます。

 

利益から会社は、税金の支払いをしないといけません。

 

法人税30%前後だけでなく、消費税10%についてもしっかりと考えないといけません。

 

消費税の方が利益に関係なくかかってしまうので気を付けるべき仕組みと言えるでしょう。

 

10%ぐらいと思って、内税にしたり後回しにすると支払時期がきてびっくりすることになるので気を付けましょう。

 

利益から税金を支払った後には、借入金の返済もしないといけません。

 

会社をうまく回して、成長させていくためには借入金をうまく使う必要があります。

 

また将来に向けて投資もしていかないといけません。

 

投資は儲けるための資産の購入と言うこともできます。

 

新しい設備、店舗、機材なども必要になります。

 

これも一定額は経費になりますが、基本的には利益から投資を行います。

 

まとめると、「利益−税金−借入金返済−投資=繰り越せる現金」となります。

※プラスになる減価償却費は省略しています

 

これを図にすると以下のようになります。

 

参考:お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ―――社長はこの図を描くだけでいい!

 

税金対策もほどほどに

売上・利益と並んで経営者の方の関心が強いものに税金があります。

 

利益が1,000万も上がれば税金はざっくり300万ほどかかってしまいます。

 

ものすごい金額の支払いになってしまいます。

 

そこで節税のために専門家に相談をすると、節税商品などで税金負担を抑えることができると言われます。

 

そのまま節税商品を使って利益を減らし、税金を減らすことにも成功しましたが・・・上図を見ると利益と税金の関係だけ見ていてはまずいことになるというのがわかります。

 

利益からは税金だけでなく借入の返済や投資なども行わないといけないため、利益を減らすために現金を使い過ぎると資金繰りが苦しくなってきます。

 

節税を考えるのは当然ですが、全体をしっかり見ながら対策を打つようにしましょう。

 

キャッシュフローから繰り越せる金額が大事

会社にお金を残したいのであれば、繰越金額をしっかり意識する必要があります。

 

この金額こそがあなたの会社に残せる金額だからです。

 

売上が減っても、お客様の数が減っても、利益が減ってもこの繰越金額が大きくなればあなたの会社には現金が残ることになります。

 

従業員の方に対して繰越金額を目標に!というのは難しいかもしれませんが、経営者の方はこの繰越金額を主として考えるようにしましょう。

 

お金の見える化で使う図形を定期的に書いてみて確認するのが効果的です。

 

ある飲食店では、月末月初に紙にさっと1か月分の売上や経費から図形を書いて進捗を確認しているそうです。

 

大雑把ではありますが、進捗を確認するには良い方法だと思います。

 

逆算して目標を決める

売上や利益だけを追っていても会社にお金を残せない、お金の流れのとらえ方、繰越金額が重要ということをお伝えしました。

 

では繰越金額はいくらに設定するのが良いのでしょうか?

 

当然多ければ多いほど良いということは間違いありませんが、それでは現実的ではありません。

 

弊社ではこの繰越金額の設定をビジョンから考えることをお勧めしています。

 

ビジョンとはあなたの会社の将来の理想像です。

 

10年後や5年後に売上、従業員数、店舗数等で会社がどのようになっていたいのかを明確にしたものです。

 

なるべく抽象度を排除して、具体的に数字にしていきます。

 

具体的な数字にすることによって、ビジョンに沿った形のお金の見える化をすることができます。

 

そのビジョンを実現するために必要な金額を今年の目標とする繰越金額として設定をしていきます。

 

繰越金額の設定ができれば、同じようにビジョンから投資額や借入金額などもわかりますので必要な利益の額を算定することができます。

 

利益がわかれば粗利益がわかり、粗利益がわかれば必要な売上の額がわかります。

 

売上を「単価×客数」として因数分解をすると、必要な単価や客数もわかります。

 

このように逆算をすることによって根拠の強い目標設定を作ることができます。

 

上場企業のように利益を上げること自体も目的になっている会社で従業員に良い待遇を与えることができる会社であれば、対前年比20%増が目標ということでも機能するかもしれませが、中小企業だとなかなか機能しにくいのではないでしょうか?

 

下手すると従業員から「社長だけが儲けてる」とか「金ばっかり追っている」と思われてしまいます。

 

従業員にもメリットがある会社の理想像を見せて、そこに一緒に向かおう!と鼓舞することによって強い組織になっていくと思います。

 

逆算を図でイメージすると以下のようになります。

 

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気になる方はぜひ使ってみてください。

 

 

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