今回はある文房具店を例にあげてみたいと思います。

 

数字等はわかりやすく加工しています。

 

売上10,000(単価100×客数100)、仕入れが8,000、人件費や家賃等の固定費1,500、利益が500の文房具店があるとします。

 

このお店はある地域で回りに文房具店もなく、一定の売上を保ちながら経営をしています。

 

そんなある日、近くに大型文房具店が出店!してしまいました。

 

結果として、来店客数が10%も減少をしてしまいました。

 

来店客が10%減少してしまったので、売上が9,000に減少をしてしまいました。

 

強い危機感を持った店主は、「よし!一律10%オフのセールをやってお客さんを取り戻そう!うちは大型文具店と違って接客が強いからきっと客数は100に戻るどころか20%アップの120になるぞ!」という経営の打ち手を取りました。

 

結果として、客数は120まで回復!店主が狙った通りの結果になったのですが・・利益は減少をしてしまいました。

 

さて、一体なぜこうなってしまったのでしょうか?店主はどうすべきだったのでしょうか?

 

 

まず、大型文具店が出てくる前の状況を数字で表してみましょう。

 

単価100×客数100=売上10,000

売上10,000−仕入れ(変動費)8,000−固定費1,500=利益500

 

このような状況でした。

 

 

次に、経営の打ち手を取った後を見てみましょう。

 

単価90×客数120=売上10,800

売上10,800−仕入れ(変動費)9,600−固定費1,500=利益̠△300

※変動費=8,000×120%(お客さんが増えた分、仕入れも増加)=9,600

 

???

 

売上が増加して、客数も20%も増加したのにマイナスになってしまっています。

 

 

なぜなのでしょうか?

 

 

これは値下げの悪い影響と、客数増加にともなう変動費の増加によるものです。

 

 

値下げは直接的に利益の減少を招くため安易に行ってはいけません。

 

また客数が上手く増加しても変動費(仕入れ費用)が増加してしまっているため、思うように利益増加につながらずに今回のように経営の打ち手の狙いは上手くいったのに赤字に転落となってしまっています。

 

 

このような状況に正解はないと思いますが、店主が「価格勝負をしても勝てないからいったん大型店の出方を見てみよう。」とすると、数字は以下のようになります。

 

単価100×客数90=売上9,000

売上9,000−仕入れ(変動費)7,200−固定費1,500=利益̠300

 

なんとか黒字は維持できています。

 

次に「うちの店が価格勝負をしても勝てないから、月1,000円の〇〇教室を開いてお客様との関係性を向上させて、売上を10%アップさせよう。」

※〇〇教室はこの店主が得意でニーズがありそうな何かってことでお願いします。

 

 

客数はまだ回復していないけど、引き続き使ってくれているお客様にこの打ち手がうまくいって売上は10%アップ!

 

単価110×客数90=売上9,900

売上9,900−仕入れ(変動費)7,200−固定費1,500=利益̠1,200

 

利益は最初のころから比べると倍以上に!

 

 

と、実際にはここまでうまくいかないかもしれませんが、何か手を打つときにシミュレーションも何もせずにいきなり手をつけると大変なことになってしまう可能性があります。

 

事前にシミュレーションしてから取り組みましょうね。

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